【ある視覚障害者の就労奮闘記】モチベーションが上がらない社員、学生に読ませたいインタビュー

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【インタビュー対象】清水康太郎氏 1977年大宮市(現さいたま市)出身

クルーゾン病による視神経萎縮。視力:一眼は0。良眼は0.03。視野狭窄あり。
筑波技術短大卒業。国立リハビリテーション学院の理療科卒業。マッサージ師の資格を持つ。マッサージ師として整形外科勤務をした時期に両手を痛め、両手の変形、力が入らなくなる障害となりマッサージはできなくなる。日本盲人職能開発センターにて音声パソコン指導助手。

2013年より2年間、東京都立多摩総合医療センター眼科にて音声パソコン指導をボランティアで行う。コトリナ設立(2016 年 4 月)よりコトリナにて音声パソコン、iPhone の指導。コトリナの営業、広報担当。点字名刺担当。宣伝部長である。

今日は清水康太郎さんにお越しいただきました。清水さんは資格障害と手に障害を持ちながら60社目にして内定を勝ち取ったご経験をお持ちです。さらに不自由な体でありながらJリーグ浦和レッズの大ファンで観戦のため全国も飛び回るというバイタリティーはどこからくるのか。今日はそのご経験を色々お聞きしたいと思います。

<序章>本当に自分を採用してくれる会社があるのか?

Q. 最初に60社以上の会社に応募したというのは本当ですか?

A. (照れながら・・・)本当です(笑)。

Q. 中々結果が出なかったとお聞きしていますが、そのあたりをお聞かせ願えますか?

A. まあ、そうですね、最初からうまく行くとは思っていませんでしたが、何社も受けてゆくうちに本当に自分を採用してくれる会社があるのかな?と考えるようになりました。そんな中でも仕事をしたいという気持ちで受けていたら気がついたら60社になっていたという感じです。

Q. どのような業界や仕事を探していましたか?

A. 最初はパソコンも習っていましたので事務職関係を探していたのですが、書類が読めない手も不自由ということで自分には無理だと思い、自分は視覚障害なので同じような人をサポートする仕事が出来ればと思って探していたうちの何件かに決まりました。

<第2章>汗水たらして働きたい

Q. そもそも何で就職活動をすることになったのかお聞きしてもいいですか?

A. 実は前職はマッサージ師として病院に勤務していたのですが手を痛めてしまい、そこを辞めざるを得なくなってしまったんですね。2年間療養に充てていたのですが、このままではいけないと思い、汗水たらして働きたいと思いパソコンも習っていましたので事務職関係から就職活動を始めました。

Q. このままではいけないと思ったきっかけはあったのですか?

A. きっかけというか辞めた頃は家にいたのですが家にいても収入は得られないですし、やりたいこともできないので収入を得て、やりたいこともやりたいということで決意しました。

<第3章>面接での質問に怯えていた頃

Q. 就活を始められて一番苦労したことは何ですか?

A. 就活全体は苦労は苦労だったのですが自己PRって言われても何をPRしたら認めてもらえるのか考えて周りの方に指導もいただいて、ともかくやってみるしかないなと思って、このままで終わってしまったらそれまでなんで自己PRを書類に書くにしても面接で言うにしてもまずはやってみてそこから何がいけなかったのか体験して何がいけなかったのか自己分析をして考えてやっていました。

Q. そうやってやってみると何か変わってきましたか?

A. そうですね、何が変わっていたかって変わっていないかもしれないんですけど今になって残っているもの(提出書類など)を見返してみると文面が変わっていたり、書き方が変わっていたりしましたし最初の頃、面接の練習をして頂いていた方に最後のほうも(面接の練習を)やっていただくと「すごく発言の内容が変わってきたよね。」と言われたこともありましたね。だいぶその辺では経験を積めたんじゃないかなと思います。

Q. 実際、企業に面接に行ったときはどうでしたか?

A. そうですね、最初に企業に面接に行ったときは自分でも何を言っているんだろうとドギマギしていて聴かれることに怯えて質問に怯えて質問に怯えながら混乱をしながらベラベラしゃべってたんですけれども最後のほうになって対面接官、人事の方とも対等ではないですがざっくばらんに話せる部分もありましたし、面接で手ごたえを感じた企業もありました。

Q. 面接の秘訣って清水さんどのように思われますか?

A. 秘訣ですか・・・そうですね、十社とか少ない経験で受けて通れれば何も言うことはないですけど、ひとまず受けて時間を経験することだと思います。受けて終わった後そのままで終わらせるわけではなくて反省を含めながら、ああ言ったりとかこう言ったほうが良かったかなとか就活の先輩とかもいますし同期の方とかも話せたりとかすればまた違った一面がわかると思うのでそういう経験を積みながらやっていたほうがいいんじゃないかと思います。

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<第4章>自分の力で見つけて働きたい

Q. 60社っていうとぶっちゃけあきらめそうだなって思ったりもしますが?

A. なかったと言ったら嘘になりますね。2~3回、最初の段階で20~30社近くなったとき本当にあるのかな?なんか騙されてるんじゃないかなって自己嫌悪に陥りまして、まあそれでも根底にあったのは自分の力で見つけて働きたいって思いましたし収入を得たいと思いましたので、それから30~50(社)くらいの時には1回2回は陥りそうになりましたし、まあ大変でしたけど今考えればいい経験になったと思います。

Q. 自分の力で働いて稼ぎたいという思いが清水さんの中にあったんですね。

A. そうですね。

<第5章>就活を乗り切る秘訣は忍耐と成功時のイメージ、それに息抜きの時間

Q. 周りの方の力を借りたことが伝わってきましたが具体的には?

A. 就職するに当たっては四谷にある盲人職業開発センターっていう視覚障害者の就労支援をやっている場所で履歴書の書き方とか面接の受け方とか会社に入った時のパソコン利用について勉強したりだとかしましたし、また他のそれとは関係のない視覚障害の友達とか正眼の友人とかにも話を聴いてもらったりバカ話しながらリラックスする時間をつくって息を抜きました。

Q. 就活を乗り切るポイントを2つ上げるとすると清水さん何だと思いますか?

A. う~ん(かなり悩みながら)忍耐と・・・達成した時の、達成した瞬間を考える、まあイメージするっていうんですかね。忍耐は、書類を作ったりもするでしょうし面接に行って落ちることもあるでしょうけど落ちたということをマイナスにとらえるのではなくてまた生き生きしてやってくれるといいと思いますし、また達成したときのイメージを浮かばせないとマイナスばっかり考えるとつまんなくなっちゃうので、まあそうやっていました。

Q. ポジティブにとらえているんですね。

A. そうですね、一言でいうとポジティブですね。まあネガティブなことが(就活には)多いのでそればっか考えてもしょうがないのでって感じですね。

Q. 実際の書類に書くこととか面接の場面でどんなことを自分のアピールポイントとして伝えてきたんですか?

A. 視覚障害者ってデータ的にも33万人のうちの1万5千人程度しか就労先が無いという状況も聞いていましたので企業も視覚障害者は動けないだとかパソコンもできないと思ってらっしゃる方も多かったと思うのでその辺をアピールポイントにしたんですけど実際、パソコンを音声読み上げソフト使ってますっていうと人事や上の方に見ていただいたりもしたんですけど驚くんですよね。その辺のこともアピールしましたし行動できるんですよということも実際通勤2時間くらい通っていたこともありましたし電車バスは簡単に乗れるんですよっていうと「すごいですね」って言われたんでその辺をPRしてきましたね。

Q. 実際働けるんだってことを伝えてきたんですね。

A. 働けるんだということと通勤出来るんだということですね。

<第6章>働き始めて思うこと

Q. 内定をいただいた会社というのはどのような会社ですか?

A. NPO法人なんですけど視覚障害者の方が対象なんですけど視覚障害者の自立支援をやっている施設で、そこのパソコン教室でマンツーマンでパソコンを教えています。

Q. 教えるって立場になってどうですか?

A. まだまだ全然始めたばっかりでスキル不足も多々あるんですけど、ただやらなければいけないことはないということはないのでとりあえずいろんなソフトを勉強したり、それが自分のパソコンライフにも導入されながら日夜頑張っています。

Q. いま目標にしていることは何ですか?

A. まだまだ財力も経験も足りないのですがいづれ自分自身でそういう施設を立ち上げてやってみたいなという気持ちは2、30年後だと思いますけどありますね。まあそれは今の仕事になってから思ったことですけど。

Q. 今の職場にどのようなところを評価されて内定したと思いますか?

A. う~んそうですね(かなり悩んで)面接の時のやる気っていうか、やれる自信がありますって言いきったのが良かったのかなと思いますね。面接でやる気を見せられたというかそれが通用したのかなと。

<第7章>就活生にアドバイス

Q. 今の大学3年生で就活を初めて2~3社とか5社くらいですぐにあきらめてしまう学生って多いんですが何かアドバイスをお願いします。

A. アドバイスって言えることはないんですけど僕なんか就活をしていて業種とか限られてきちゃう部分がありましたけど一般の学生さんは僕なんかより目もいいでしょうし行動力もあると思うんで、どんな職種でも構わないという気持ちで当然文章(応募書類の)はそれに応じて変えていかなきゃならないと思うんですけど、とにかくもうアタックしてほしいですね。ぶちあたって得るものもあると思いますし成功したらしたで企業に入ってからも大変でしょうけども、まあとにかく止まっているだけではなくて、どんどんチャレンジしてどんどんぶち当たって積み重ねてゆくと、また先に見えてくるものがあると思うんで頑張ってほしいと思います。

<第8章>お酒好き、浦和レッズの大ファン

Q. 余談なんですけど清水さんなりのストレス発散法は?うわさではお酒が好きと?

A. (笑)そうですね、お酒すきですね。家族はみんな(お酒は)飲まないので、あんまり家では飲まないですけど外でサッカー応援するのが好きなのでサッカーの仲間と、また他の障害者の友達でも飲める人がいるので飲んだりとかカラオケ行ったりとかその時は暴れて発散してますね。

Q. サッカーの全国遠征もなさってるのですね?お勧めの地酒はありますか?

A. 新潟の上善水如(じょうぜんみずのごとし)はおいしいですね(笑)。

Q. ひとりでも飲みに行くのですか?

A. 駅から出て30秒のところにお店があるんでそこにはよく(1人で)いきますね。頻繁ですね。サッカーの後に夕飯を食べる口実をつけて行ってます。家族に待ってられるのもあれなんで夕飯食べて来るからと言って出る前に言って勝っても負けても行って板前さんとか、今日勝ったの負けたのわかるんでいろいろ話したりとかサッカーだけでなく色々な話をしたりすごく気が休まる感じで助かってます。

Q. 就活中も気が落ち込んだ時は行きつけのお店に行かれたんですか?

A. 行ってましたね(笑)気分転換といいつつ言い訳しながら行ってました。

<最終章>なぜ頑張れる?

Q. 1年半の就活という経験、今の清水さんにとってどういう経験になっていますか?位置づけというか?

A. 実は前職はマッサージの病院に2つ行ったのですが2つともコネで入ってしまったので就活という経験は人生の中で初めての経験だったので、それがどうだったかというと仕事を始めてみてこんだけかかった(就活の時間が)んだからやめられないなと、そういう逆のモチベーションになっていたりもしますし、またしたくはないなと思いますけど、しなきゃいけない時期がきたらそれはそれでしなきゃいけないと思っていますけど。

Q. なぜ頑張れるのですか?

A. 何度も言うようですけど収入が得たいとかそういう強い気持ちがあって、またマッサージ時代は働いたお金で家にも少し(生活費を)入れていたりしました。そういうことも自分でやり遂げたいなと思ったからだと思います。

Q. 思いなんですね。

A. はい、具体性がなくて申し訳ないですが・・・

Q. 就活を支えてくれたのは何ですか?

A. 不謹慎かもしれないですけど自分のお金でお酒が飲みたいという。就活中も障害者ですので大事な税金(障害者年金)をいただいて、それで飲んでいたこともありましたけど、もう一度汗水たらして働いて頑張って給料日に給料いただいて飲んだときのあのビールっていうかお酒の味を思い出したくて実際の飲みたくてというか、ありました。

Q. 今は飲めてますか?

A. はい。

Q. おいしいですか?

A. おいしいですね。やっぱり人のお金とかそういうのではなく格別だと思います。

Q. 就活中思ってきたことが実現出来てるってことですね

A. はいそうです

Q. こういう風になりたいこと、仕事以外でもいいので何かありますか?

A. もっともっといろんな人と友人も作りたいですし色々な経験をしなくては人生つまらないと思うんで、もっともっと幅広くいろんな方とお話ししたいんで、また思いに対してチャレンジしていったりしたいと思ってますね。

Q. 就活を続けている方に最後にメッセージをお願いします。

A. (就活は)大変なことだらけだと思うんですよね。内定をもらった時の感動は何物にも代えられませんし僕も実際そのNPOに決まった時はいろんな友人とか家族とかに電話したりメールしたりしまくって本当になんかうれしいなっていう気持ちでいっぱいだったので是非その感動を皆さんにも味わっていただきたいし、決まって仕事が決まってからはまたそこで大変なことがあると思いますけど、くじけずに頑張って仕事していってほしいなと思います。

 

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